「学校長からみなさまへ」を更新し、「大切な別れ」を掲載しました。
大切な別れ
“Mastery for Service”
“幼子はたくましく育ち、
知恵に満ち、
神の恵みに包まれていた“
学年最後の月を迎えて
梅の香りが優しく漂う季節を迎えました。今年度の終わりを迎える3月のこの時期、1年間をふり返りますと、子どもたちは本当に大きく成長しました。教科書や学習用具をぎっしりと詰め、真新しいランドセルを重たそうに背負っていた1年生は、制服もすっかり板につき、しっかりとした足取りで花の道を登校しています。休み時間には、校庭で元気いっぱいに遊んでいます。最上級生である6年生は、小学校6年間の学びを通し、下級生の世話ができる素敵なお兄さん、お姉さんになりました。2年生、3年生、4年生、5年生の子どもたちも、その成長ぶりは同じです。
教育評論家の吉岡たすくさんの言葉です。
「人間にとって出会いは大切ですが、それと同じくらいに別れというのも大切です。いかに美しく別れていくかということが、その人間を一段と高めていくのではないでしょうか。」
「人生にとって、この大切な別れを子どものときからできるだけ、多く体験させることが、より大きい人間に育てあげるのです。」
初等部の子どもたちが、さらによい成長を遂げていくには、吉岡たすくさんが言うところの別れというものを大事にしていくことも必要だと考えます。
それでは、子どもたちにとっての別れにあたるものは何かといえば、それは、学年最後の月である3月です。1年間のまとめの時期としての3月を有意義に過ごし、その学年の別れを充実させることが、その後の確かな成長へとつながるものと考えます。子どもたちがこれまでをふり返り、「学習面や生活面で、改めたり直したりするところがあれば、それに向けて、精一杯努力する」、「成果のあったものについては、気を抜くことなく、一層磨きをかけ、より素晴らしいものにしていく」といったことが、学年最後の月である3月との別れを引き立て、子どもの成長を促していくことになるのだと思います。
やがて来る4月には、新しい学年との出会い、新しい友だちとの出会いがあります。その出会いを、すばらしいものにするためにも、子どもたち一人一人が3月のこの時期を大切にとらえ、充実した日々を過ごせるよう努力していくことを願っています。