キリスト教主義教育

“Mastery for Service”

初等部エントランス

関西学院における一貫教育の土台は、キリスト教主義教育とスクールモットー“Mastery for Service”です。第4代院長であるC.J.L.ベーツ宣教師が、創立者ランバス宣教師の精神を“Mastery for Service ”という言葉で表現し、自己修養(練達)と献身(奉仕)を合わせ持つ生き方の中に、人間としての真実の生き方があることを当時の学生たちに教えました。そしてこの“Mastery for Service”が、関西学院のスクール・モットーとして現在まで受け継がれています。

学院全体では「奉仕のための練達」と訳されますが、初等部では子どもたちに分かりやすいように「社会と人のために、自らを鍛える」という訳語を用い、学校生活の様々な場面でその精神を伝えています。他者と共に歩み、本当のやさしさと思いやりをもって自らを社会と人のために用いることのできる人、そのような“Mastery for Service”を体現する世界市民を育て、世界に送り出していくことが私たち関西学院の使命です。

初等部聖句「幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていた」

初等部ベーツチャペルに掲げてある初等部聖句

キリスト教主義による全人教育を建学の精神としている私たちは、何よりも聖書の言葉を大切にしています。数多くの聖書の言葉の中から、特に初等部が大切にしているのが、「幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていた。」(ルカによる福音書2章40節)という聖書の言葉です。

この聖書の言葉には、キリスト教主義を教育の土台とする私たちが、初等部で学ぶ子どもたちへの深い思いが込められています。神の豊かな恵みと愛に包まれ、神が与えてくださる真実の知恵に満ち溢れ、心も体もたくましく成長していってほしいという私たちの願いが込められています。

そして私たちが目指す児童像である①論理的に考え確かな学力を習得する子ども(知性)、②感性豊かで国際性を備えた子ども(情操)、③高い倫理と自立の精神を備えた子ども(意志)の姿が、この聖書の言葉から導き出されています。

校名の由来

「かんせいがくいん」という校名は西日本の指導者となる意味で名づけられました。当時のミッションスクールの大半が「英和学校」「英和女学校」と名乗るなか、慣習を打ち破って「学院」と命名。「関西」を「かんせい(クヮンセイ)」と読むのは、当時の学生が東京を「トウケイ」と呼ぶなど地名を漢音読みする傾向があったことにちなんだものです。現在の学風につながる自由な発想が校名からも垣間見えます。

校章三日月の由来

創立から5年後の1894年に教員・生徒から成る委員会でこの校章が決定されました。
それは、月が太陽の光を受けて自らを輝かせるように、われわれは神の輝きを常に受けて自らを輝かせる者であるという自覚と、新月がやがて満月へと完全を目指して輝く存在であるように、ひたすら理想を憧れ求めて、進歩向上していくことを象徴しています。

初等部エンブレム

校章「三日月」を中央に配した関西学院初等部独自の初等部エンブレムを制定しています。制服につける徽章として用い、初等部グッズ、印刷物にも用いています。子どもたちは初等部エンブレムを身につけ、関西学院で学ぶ誇りと校章の持つ意味をいつも心に覚えて学校生活を送ります。

校歌「空の翼」の由来

山田耕筰直筆楽譜

関西学院は大学昇格を目指して1929年3月に関西学院発祥の地である神戸原田の森から西宮上ケ原にキャンパスを移転しました。その3年後の1932年3月に関西学院大学(旧制)が認可され、学生会、教職員、宣教師たちの長年の熱意と努力が結実しました。上ケ原キャンパスの新しい空気は新しい校歌作成の気運を生みました。翌1933年に学院同窓の山田耕筰氏に校歌の作曲を委嘱し、同氏の推薦で北原白秋氏が作詞を引き受けました。二人はその年の夏に関西学院を訪れ、ポプラが薫風に羽ばたき、光に満ち、学生は希望に輝き、緑あふれる美しいキャンパスの風景を嘆賞されました。こうして校歌「空の翼」は9月に完成し、山田耕筰氏を学院に招いて発表会が行われました。山田耕筰氏が自らタクトを振って全学生の大合唱を指揮し、風、光、力、若さ、躍々たる自由の気が上ケ原キャンパスにみなぎりました。

空の翼 関西学院校歌(1番のみ)※クリックすると音が鳴ります その他のファイルリンク

初等部校旗

初等部が開設された2008年度から初等部校旗が制定されました。伝統のKGブルーに校章三日月と十字架をあしらったデザインです。体育祭などの行事のある日は、グラウンド側の校舎の前に立てられた掲揚台に掲げられ、翩翻とひるがえります。