紅葉の謎 

[  2021年11月1日   更新  ]


      “Mastery for Service”
        “幼子はたくましく育ち、
         知恵に満ち、
         神の恵みに包まれていた”

         

 10月は、秋というのに真夏日が続き、なかなか衣替えができないような月でした。
10月下旬になり、ようやく秋らしくなりました。秋は何と言っても紅葉です。
紅や黄色など色とりどりの鮮やかな紅葉に山々がつつまれます。
では、なぜ、秋になると葉が赤くなったり、黄色くなったりするのでしょうか?

 実はこのメカニズムはまだ、はっきりと解明されていません。
ここに1つの仮説があります。植物は光合成によって栄養分を作ります。
光合成は、木の葉が太陽光を受けて、葉の葉緑体で行われます。
秋になり日の光が弱くなると光合成によって作られる栄養分が少なくなります。
葉に栄養分がとどかなくなると葉緑素がこわれそれまで見えなかった
黄色いカロチノイドというものが表面に出てきます。これがイチョウなどの黄葉です。
葉緑素と葉の中に残っていた糖分がいっしょになりアントシアンという赤色のものに変化します。
これが紅葉です。要は木々が冬に備え、余分なエネルギーの消費を抑えるためだと考えられます。
ただし、松や杉などの木々は常緑樹といって1年中緑色の葉をつけています。
これはまた別のメカニズムを持っているようです。

 

 紅葉の美しさとは

 さて、みなさん、色づいて落ちている葉っぱを見てください。
黄色や紅色に色づいていますが、落ちるまでは紅葉として周辺を
通る人たちの目を楽しましてきました。紅葉は全体を見ると美しいのですが、
1枚1枚の葉っぱをよく見てみると、虫に喰われて穴が開いていたり、
端の方が黒ずんでいたり、ひび割れがあったりとどこかにもう一息というところがあります。
でも、そんな葉っぱが、1本の木に集まると紅色や黄色のきれいな紅葉を形作ります。
逆に何の欠点もない葉っぱだと、何百枚何千枚と集まっても決してきれいな紅葉にはなりません。
それぞれにもう一つだなというところがある葉っぱだからこそ、たくさん集まると不思議に全体が美しく見えるのです。
だから1枚1枚の葉っぱが、とても大切なのです。

 この葉っぱを初等部の児童だと考えられませんか。
児童ひとりひとりを見ると良いところがたくさんありますが、何かしら短所もあります。
完全無欠の人間なんていません。でもそんな子どもたちが初等部という木に集い、
見事に紅葉させているのです。初等部にはいろいろな個性を持った児童がいます。
どの子にも長所があれば短所もあります。お互いにそのことを理解し、尊重し助け合っていくことが、
楽しい学校生活を送るための秘訣ではないでしょうか。